君に染まる(前編)


…こいつアホだ。



体で、って言ったにこんなパン…。



Ⅲ類の俺にⅠ類の売店のパン…。



いつもの俺だったら間違いなくキレてる。



けど…今は呆れてなにも言えねぇ。



「……獅堂先輩?」



泣いたせいでまだ赤い目のまま
俺を覗き込んでくる。



「……サンキュー、もらっとくわ」



「あ…はい、どうぞ」



どうぞって…まじ変な女…。



変だけど、気に入った…。



この女、気に入った。































< 95 / 337 >

この作品をシェア

pagetop