涙の音


病院を出ると、マネージャーから電話が入っていたのでかけ直す。


―プルルルル…


「あ、検査結果でた?」


「いや、なんて言っていいか。簡単に言うとリハビリを受けにいかなきゃならない状態で、今後奈未に嘘をついて行くのは無理だと…」


「…理由がはっきりしないわねー病名は?」


「病気っていう病気じゃないんだ。」


「わかった。じゃあ、30分くらいで行くから」


「…はい」


ロビーに戻りソファーに座ると背もたれによしかかり。頭の額に手をおいた。


「………はぁ」


ため息がつく。


罪悪感が出る。


嘘なんてつけるわけがない。


こんな検査結果を聞かせられて尚更だ。


携帯のマナーモードがワンコールなる。


それは電話に出られない場所にいる時でもマネージャーが到着したと言う合図。


重たい身体を起こして、病院を後にした。


外に出て電話をかける。


「…どこに止めてますか?」


「入り口にいるの?入り口に向かうよ~」


「じゃあお願いします。」


数分もしないうちに車が入り口へ近づいてきた。


ドアを開け助手席へ座る。


車を出すとマネージャーが直ぐに聞いてきた。


「それで?」




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