涙の音


「はい、薬」


全ての仕事を終えて、車の中で薬と水を奈未に渡した。


「……何?」


「栄養剤」


そう言って奈未に飲ませた。


薬なんかで体調をキープできるなんておもわないけれど。


念のために貰ってきておいた薬を“栄養剤”と偽って飲ませる。







けど、そんなの奈未が信じるわけがなかった




僕が甘かったのかもしれない。


気付かれずに支えて行ければなんて一方的な考えをしていたから…






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