涙の音
number1 歌う理由
「新曲持ってきたよ!」


そう言って、勝手に鍵を開けて僕の部屋に上がり込む。


「…んだよ朝早くから。」


「曲出来たら、朝も夜も関係ないの!」


「あ、そう」


会話をすませるとまたベッドに入り布団を被る。


「寝るなー」
とリビングから聞こえる声を無視する。


数分もしないうちに深い眠りに入る。




次第に意識が戻ってくるとリビングから、今までにないようなリズムが聞こえてくる。


だるい体を起こし、耳をすませる。


「~~♪」


まだ歌詞のないメロディーにのせて鼻歌が響き渡る。


そのメロディーに起こされて重たい身体をリビングまで運んだ。


気が付けば外は真っ暗。


リビングも明かりが付いていない。


「電気くらい付けてやれよ」


そう言って電気を付ける。


「あぁーっダメ!!消して!」


「はぁ??」


「これはバラードなの。暗い所で孤独を感じて詞を書かなきゃ…」


「…書けんのかよ。こんな暗い所で。」


「書けるよ。」


そう言われて電気を消す。


ギターを触りながら歌詞を書いてく。
と言っても余りギターは上手く無い。
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