不器用な指先
握り締めた手が
無意識にその拘束を強めていく…
優…花……
私が…
何も知らないと思ってる…?
まさか見られるわけがないとでも…思ってた…?
私が何も知らないと思って
陰で私のこと…
笑ってた…?
透は自分のものになるって…
笑ってたんでしょう…?
『お…おねーさ…?』
『……言ったよね…』
『…え…?』
私は彼の腕を掴んだままゆっくりと顔を上げ、戸惑う彼の目を見つめる。
『…さっき言ってたよね…?私のこと………温めてくれるって………』
惨めな女になんて
なりたくは
ない
私だけ
辛い思いをするなんて
堪えられない
―ざわつく夜の街に
私の
汚れた決意の声が響いた―