不器用な指先

私に対応してくれた看護婦と、透の容体急変を知らせた看護婦二人の後を追う。


走っても 走っても

身体が前に進んでいる気がしない。

意識全体がスローモーションになっているようだ。

もどかしさの中で、絡まりそうになる足を必死で動かし、看護婦たちの後を追う。



静かな廊下に、私たちの荒い息と

バタバタ…と駆け抜ける足音だけが響いていた。



< 48 / 75 >

この作品をシェア

pagetop