★X'mas story★
『別に今のため息は美沙ちゃんにしたわけじゃないから。イジメてごめん、これからはただの会社の先輩として、頼ってくれていいから。俺こそ彼氏いるのわかってて、手だしてごめんな?』
彼女の涙を見たら、優しい言葉をかけずにはいられなくて、俺はウソをついた。
ただの会社の先輩としてなんて、ホントは嫌だ。
もうこれ以上、俺を頼らないでくれ。
でもそんな俺の気持ちはお構いなしに、彼女は俺の言葉に笑顔になる。
『…ありがとう』
そう言って、もっと涙を流した彼女を、俺はそっと見守った。
ハンカチを渡すぐらいが、精一杯だった…