少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜
「ほーせき?なにそれ!」
マリーが再び訪ねてくる。
ミミはうーんと首をひねりながら口を開いた。
「ええと…貴族とか、お金持ちの人たちが持ってる、石のことだよ。」
「へーええ。」
関心するマリーの横で、石の拾い主の少年が立ち上がった。
「そこに落ちてたんだよ。なんかよく分かんないけど、じゃあ、ミミ姉ちゃんにあげるよ!」
「えっ?でもこれ、きっと誰かが落としたのよ」
「うーん、じゃあミミ姉ちゃんが持ってて!ぼく無くしそうだもん!」
あんまり興味がないらしい少年は、再び木の実取りに去ってしまった。
マリーもそれについていく。
「えええ……?」
ミミは呆然と立ち尽くす。
どうしてこんなところに落ちていたのかは分からないけど、とにかく誰かの落とし物だろう。
しょうがなくミミは、後で村長さんのところにでも持っていこう、と石をポケットに入れたのだった。