少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜
残念そうに少女を見返すエドゥアールの横から、今まで黙っていた少年がふと声を上げた。
「そんなのどうでもいいだろ。」
「どうでも良くないわよっ!すっごく大事なお祭りなんだから!」
「こっちだってすっごく大事な式典なんだよ。」
「知らないよそんなのっ」
少女がきっと睨むと、少年はめんどくさそうに見返してきた。
「いい、もう連れていく!…エド!」
「は、はいっ!」
そばでオロオロと成り行きを見守っていたエドゥアールが跳ね上がって去っていく。
ミミが首をかしげていると、しばらくして青年は馬を二頭つれて戻ってきた。
「?」
それを確認した少年は、ミミに近より、ひょいとお姫さまだっこをする。
「ひゃあっ?」
うえええ!
なにこれなにこれ何でっ!?
慌てる少女を馬上に降ろして、自分も乗ってくる。
少年の腕に挟まれる格好に、ミミは引きつり顔になった。