少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜
ペルティエ、この大国の名を名乗ることを許されているのは、
「言い忘れてた、というか、言わなくても分かっていると思ってたけど」
…そういえば、エドゥアールはこの少年のことを『殿下』と呼んでいなかったか。
「俺は、このペルティエの第一王子だよ。」
少女の目がまんまるに開かれる。
「……っ!ええええええー!?」
少年が顔をしかめる。
森中に木霊しただろうそれは、今日一番の少女の叫び声になった。