少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜
亜麻色のくせっ毛の髪がふわりと揺れる。
「わっすごい、本当にいっぱい!マリーは木の実集めが上手だねえ」
村のみんなに珍しいと言われる翡翠の瞳を優しく細めながら、少ししゃがんで少女の頭を撫でると、マリーと呼ばれた少女はえへへとはにかんだ。
「これだけあったら、明日のお祭りで、おりょうり作ってくれる?」
突然の少女の言葉にミミはきょとんとする。
「え?」
「わたし、ミミちゃんが作るおりょうり大好きなの!」
よだれたれちゃう、と口元に手を持っていく少女に、ミミは頬が緩むのが止められなかった。