少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜
冬に入ったばかりのペルティエ王国。
ミミの出身村ピーシランクは一年中暖かい気候なのに対し、首都カルナーダは一年を季節に左右される。
この季節夜は寒くなるけれど、お昼はまだ少し過ごしやすい気温である。
「いっ………、違う違う違うーーー!」
そんなのどかなお昼過ぎ、ペルティエ王宮の一室ではここだけ気温が上がったような少年が一人、声を張り上げていた。
「おまえ本当にやる気あるのかっ?何でこんなに出来ないんだよ!?」
少年が見下ろした少女は、うう…、と上目遣いで狼狽える。