少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜

「そ、そんなこと言ったって王子、あたしこんなことやるの初めてだし…。あでもごめん…。」

少女は今日、亜麻色の髪を結わえていて、動くたびにふわふわと舞ってとても可愛らしい。

しかしそんなことに構わず少年は、先ほどから怒鳴ってばかりであった。

「そんなこと分かってる!でも完璧にしないと駄目なんだ。おまえ、次やったら牢屋に突っ込んでやるからな!」

「えっうそ!?そんなああ〜!」

ひええと慌てる少女とそれを睨みつけるこの国の第一王子を見て、エドゥアールは呆れ混じりに少年を見やった。

(ほんとはそんなことしないくせに…。)

少女が城へやって来てから、少年がなんだかいきいきして見えるのは、たぶん気のせいではないだろう。
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