魚と青年
 日頃は緊張感のない風貌(だって魚だもんな)と口調ですっかり騙されがちだったが、本当はすごい力を持った宇宙人なのかもしれない。

今更ながら、僕はその事を思い知らされたのだった。


 しかし、僕は魚の宇宙人との生活に慣れ始めていた。

 時々、こんな事もあったりしてと、自分との違いを目の当たりがする事はあっても、それで魚の宇宙人を嫌いになるとか、一緒にいたくない、と思った事はない。

 それどころか、不思議な事に僕は魚の宇宙人との生活を心地良いとさえ思うようになっていた。

 ところが、終わりは突然に訪れる事になる。

人生いうモノは往々としてそういうものなのかもしれない。


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