魚と青年
朝まで卓袱台を一緒に囲んでいた魚の宇宙人が、夜には料理として卓袱台に並べられている。

僕の頬を涙が伝った。そんな僕を見ながら母さんは、嬉しそうにご飯をよそってくれる。

「そんなに母さんの手料理がうれしいのかい?確かにこうやってお前に料理を作るのは久し振りだねえ」

 母さんは僕の涙を誤解しているようだ。

 僕は母さんに勧められるまま、魚の宇宙人を口に運んだ。そうだ、料理になってしまった魚の宇宙人をこのまま捨てる事なんてできない。せめて残さずに食べてやることが奴にとっても供養になるだろう。

 魚の宇宙人は……とてもおいしい新鮮なマグロの味がした。

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