魚と青年
僕は重い腰を上げて風呂に入る事にした。

スライド式の風呂の扉を開けて、僕は固まる。

 そこには一年前と何ら変わらない姿で鼻歌を歌いながら湯船に使っている生き物が……。

「若者よ、久し振りじゃなー。また観光に来たんじゃ。また一週間ほどお世話になるけどよろしく。あ、ワシの土産に置いていったマグロうまかったじゃろ?あそこまで大きいのマグロは、なかなか捕まらんぞ!」

相変わらず鈍感な感性を持つ魚の宇宙人は、満足げな笑顔を僕に向けた。

                      ◆おしまい◆


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