白-しろ-
神様はまた、にこりと綺麗に笑った。
生まれ変わる。
それが、どういう事なのか……
「九菜。貴女に新しい名前を授けよう」
「名前を?」
「そうだ。名前を授けなければ、輪廻転生することは出来ない。」
「はい……」
「しかし、気を付けよ」
神様が、厳しい目をした。
威圧感に肌がピリピリする。眉が悲痛そうに真ん中に寄った。
「真名を、言ってはならぬ。真名とは、自分の名。九菜、という名前だ。
理解せよ。真名を無闇に言ってはならぬ」
「…わかりました。」
なぜ、ダメなのかは分からないけれど、
神様が言っているのだから駄目なのだろう。
私は、神様に頭を下げた。
「九菜……、名を、優袮-ユウチ-とする。」
「ありがとうございます。」
これから、家族と一緒にいられる。
そう思うと、顔が緩む。
笑顔で、礼をすると神様は優しく微笑んだ。
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