白-しろ-
子供たちの中のひとりが、なにを思ったのか、俺に近づいてきた。
なにかと顔を上げると、明るい子供らしい笑顔。
その男の子は、俺に向かって手を差し出した。
「なにやってんの?あそぼうよ!!みんなで!!」
にこり。
と笑う。
一瞬、何がおきたのかわからなかった。
その眩しい笑顔に、誰かが重なった。
「ほら、いこう」
安心させるように、また柔らかく笑う。
俺はその手をとった。
立ち上がろうと右手で、体を起こそうとする。
その時、
ズキンッ
「………っ!」
激しい痛みが右手に集まった。
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