北の森の妖精
すると、
「どいて!」
と、甲高い声。
ルーシーがやってきたのです。
「ルーシー!何しに来たんだよ!また、おいらたちを笑いに来たのか!」
ロビンが叫びました。
「それよりも、ウーフーの傷、見せて!」
ロビンは口をとがらせて、ルーシーの顔を見ました。
「ほら、薬草持ってきたの!」
ルーシーは、薬草と血止め草をロビンに渡しました。
「ウーフーの皮ふは固いけど、力を入れて抜いちゃだめ。ゆっくり引きぬかないと」
そう言うと、ルーシーは、ウーフーの足の裏に刺さっているとげをゆっくりと抜き始めました。
「ルーシー、くわしいのね」
キャメルが声をかけます。
「わたし、お医者さんになりたいの」
ルーシーは、とげを抜きながら、そう言いました。
「そうか、ルーシー…」
お母さんが病気なんだよね、キャメルは、そう言いかけて、やめました。
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