北の森の妖精
ちょうどその時、
「長老、大変です!」
と、キャメルとウーフーがやってきました。
「このようせいさんが、空から落ちてきて…」
ウーフーが、背中に乗ったドロップを長老に見せました。
「ほう、ほう」
長老は、大きな目で、ドロップを見つめました。
「なるほど、雲から落ちて、つえを失くしたんじゃな」
そう言いながら、長老は大きくうなずきました。
「ちょっと待っておれ」
長老は、空高く飛び立ちました。森のすべてを見渡すことができます。
遠くの木に、何か白いものが引っかかっているのが見えました。
「ほう、ほう」
3匹のところに戻ると、長老はこう言いました。
「森の、いちばん高い木に、白い何かが引っかかっておるな」
「いちばん高い木?」
「それが、ドロップの乗ってた雲かな?」
「じゃが、つえがどこにあるのかはわからん。木のそばにあるといいのう…」
「よし、探しに行こう!」
ロビンは、キャメルやウーフーの返事を聞く前に、外に飛び出しました。
「え?…ロビン、待ってよ~」
キャメルとウーフーは、長老にお礼を言うと、急いでロビンの後を追いました。
「さて、どうしたものか。ほう、ほう、ほう」
長老は、3匹を見送ると、再び目を閉じました。
< 7 / 34 >

この作品をシェア

pagetop