~Snow White~『ニ巻』
斎場に入ると母が立っていた。


複雑な気持ちだった
母は、どうして稔に抱かれたんだろう

 どう思ってるんだろう


「利香・・・・・」
手をつないでいる洋平を見て
驚いていた。


「今、お付き合いしてるの。
お参りに来てくれたの。」


「札幌から?わざわざ?」
深く頭をさげた。


「大柴 洋平と申します。
はじめまして・・・・。
利香さんとおつきあいしています。
よろしくお願いします。」

 なんて落ち着いた挨拶なんだろう。


その時・・・稔がやってきた。


利香は洋平の手を
力いっぱい握った。


「きたわ・・・」

洋平は顔をまっすぐあげた。
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