~Snow White~『ニ巻』
その時だった


夏絵が竜平の首に腕を巻きつけた。


顔じゅうジュースだらけの
竜平の顔を舌でなめた。


「美味しい~~」


その思いがけない行動に
唖然としていると


「好き……大好き……」


夏絵の瞳の中に自分の姿を見た。



夏絵の柔らかい胸が
竜平の胸に押し付けられた。



ドキドキ・・・
ドキドキ・・・・・



「夏絵、ちょっと・・・・」



「私に彼女は関係ないもん。
好きな人は好き……」


「俺はまずいから……」


「彼女にしてって言わない。
こうやって三人で遊んで……
そして私を抱きしめてくれればいい…
寂しいの……
私これからずっとこうやって生きていくって
考えたら、悲しくなった。
リュウと出会ってから……」


大きな目からダイヤモンドのような
滴が落ちてきた。


夏絵が愛おしい・・・
そう思っていた・・・・・・。
いつも明るくて前向きな夏絵の
もうひとつの顔を抱きしめたい……
そう思ってしまった。


「泣くなよ・・・」

夏絵を抱き寄せて・・・・
見つめ合った。
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