~Snow White~『ニ巻』
抱きしめる以上のことはしない


まだそこに
裏切りが小さいと自分に納得させる。


暗くなった道を
智久を真ん中に三人で歩く。


智久が覚えたてのキャラクターの
主題歌がいつの間にか
竜平も歌えるようになっていた。

夏絵も一緒に
智久はご機嫌だった。



向こう側から人影が見えた。


「竜?」


洋平が立っていた。


「おまえ、なんで制服なんだ?」
きっちりと着ている
制服に笑えた。


「いろいろあってさ。」


「あ~~リュウだ!!」
洋平を指差して智久が二人を
見比べる。


洋平が夏絵を見た。


「誰?」


空気がひんやりしてきた。
< 132 / 351 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop