~Snow White~『ニ巻』
誰もいない教室のドアを閉めた。



そのとたん
竜平は強く利香を抱きしめた。



「リュ・・・苦しいわ・・・」



「会いたかった。」



「うれしい…私も会いたかった。」


久々に合わせる唇


濡れた吸いつくような
感触が竜平の罪悪感を溶かしていく


「そばにいないと
不安だった・・・・」


「わたしもだよ」


お互いの心にある罪悪感を
溶かすように必死に唇を求め合う


 ごめん



心の隅に住みついた夏絵の
存在を忘れるように

「利香…好きだよ…」
竜平はつぶやいた。


少しあいたドアから夏絵が
見ているのにも気づかず…

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