~Snow White~『ニ巻』
第七章
利香の母から電話が来たのは
冬休みが近づくある日のこと


「学校から電話があったの。
進学のことだけど・・・・。」


「うん・・・・・」



「進学しないってホントなの?」



「うん・・・・・」



「大学行く援助くらいできるわ。
あなたは、勉強もできるし
もったいないって先生から連絡がきたの。」



「ごめんね、心配かけて。」


母の声に聞きたいことが
聞けないでいた。


「とにかく、一度そっちに行って
先生とお話しないといけないわね。」


「いいよ、もう決めたんだもん。」


「大槻の娘なのよ、血はつながってなくても
いずれあなたにも
この会社が手に入るのよ。
就職だってこっちに帰ってきたらいい。」

母の言葉に我慢していたものが
吹き出した。
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