~Snow White~『ニ巻』
「それがほんとだとしたら……
ごめんなさい……
だけど、だからって言って
私や母にしたことは許されないわ。」


「どうしてさ、利香・・・・。
利香だってあの女の子供でしょう?
きっと贅沢したいって思うよ。
今だって、俺の仕送りでここにいるんだ。
本当に解放されたければ
バイトでもなんでもして自分でやるだろ?
そう言う子はたくさんいるよ。」



図星だった・・・・
バイト
そんなことする気はひとつもなかった
自分を恥じた。


「だから大学にはいかない。
これ以上迷惑かけないから私を
大槻から切って下さい。」


「社会人になったらなおのこと
後ろ盾なければ生きて行けないよ。
世の中甘くない。
保証人だっているし
よく考えろ?
高卒で働いて、一人で暮らす金なんか
全然足りないからな。」


「最初はそうかもしれないけど
だけど一人立ちできるもん。
大槻に頼らない、あなたに縛られたくない。」


「縛るってさ・・・・
おまえの人生は決まってんだよ。
俺といるから幸せになれる。
大好きな花に囲まれて笑って暮らせる。」


「愛してないもん・・・」


「愛せるさ。」


「好きな人がいるもん
彼以外は考えられない・・・・」


利香は首を振った。
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