~Snow White~『ニ巻』
「それはお見通しだな。」


「・・・・あの・・・・」


「何?」


「優しくしてあげて・・・。
おかあさんは大事な私の
おかあさんだから・・・・・。」

言い出しにくかった。



「優しくしてるよ。
だから俺なしでは生きられないんだよ。
おまえに会わす顔がないんだろ。
あの人は贅沢に生きていきたいんだ
それだけだよ。」



「それでも・・・・
よろしくお願いします。」


悔しいけど頭をさげた・・・・



「おまえ次第だけどね。
ホワイトイルミネーションって
見たいんだけど付き合ってくれるか?」



もう少しの辛抱・・・・

利香はうなずいた。


食事をきれいに平らげた稔は

「そろそろ出るか・・・」


そう言って立ち上がった。
< 155 / 351 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop