~Snow White~『ニ巻』
「大槻さん。」


振り向いた利香が笑顔になった。


「家、近いの?」


「そんなに近いこともないけど
バスがないから歩こうかなって。
大柴くんも遅いね。」


竜平は自転車を降りて
利香の歩幅に合わせた。


「毎晩だよ、でも楽しいね~
先輩達はすごいし勉強になるよ。」

竜平は生徒会の先輩達の
進め方を熱く語っていた。


「あ、ごめん、ついつい……」


「いいよ~大柴くんは次期会長候補だし
いつも頑張ってるよね。
えらいね、なんでも一生懸命で。」

ほめられて恥ずかしくなった。


「子供の頃から
厳しくされてたから
なんでもこなせって……」


「でもそれができるなんて
なかなかいないよ。
素敵だと思うわ。」


竜平は女の子に初めて言われた
言葉にすっかり照れまくった。


「可愛い~竜平くん」
利香がケラケラ笑った。
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