~Snow White~『ニ巻』
玄関を出たところで
追い掛けてきた竜平の手が腰にかかった。


「離してくれる?」



「ちょっと待てって。」



「今日は一緒にいない方がいいよ。」



「やだって。
ずっと一緒にいる時間なかっただろ?」



「喧嘩したくないの。」



「もう言わないから・・・・」



「違うの・・・私が聞いてしまいそうなの。
だから・・・帰るわ。」


利香のくびれたウエストを
力いっぱい竜平が抱きしめた。


「俺のものだろ?違うか?」
俺はずるい
竜平は思っていた。


利香を愛してる
だけど夏絵も愛おしい・・・・

同じ愛という漢字は
何が違うというんだろう


「利香・・・・・」
利香の腕の自由を奪い門柱に押し付けた。



「俺のものだ。」

利香の兄・・・・
洋平・・・・・

竜平の嫉妬心が燃え上がる。
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