～Snow White～『ニ巻』

「東京って何だ？
利香の兄きにおまえ会ってんだって？
なんで？なんでおまえが
利香の実家に行くんだよ」



洋平は言葉に詰まった。


「利香が心配だったからだ。」




「おまえ何知ってんだよ。
俺の知ってることみんな知ってんのか？」



「しらねーよ。」


洋平は竜平の顔を睨みつけた



「利香を悲しませるな。
絶望させるな。
あいつは絶望の中で生きてきたんだ。
おまえが希望なのに
なんで裏切るんだよ？
なんで待ってやれないんだよ。
おまえしか見てないのに・・・・・
利香を裏切るのか？」



「リュウ～～」
可愛い声が聞こえた。


「あれ、リュウがふたりいるよ。」
智久の愛くるしい顔が二人の間を
割って入った。



「リュウ、ダッコして」

竜平は智久を高く抱き上げた。


「行こうか～」

夏絵は洋平を振り返って
頭を下げた。


　裏切るのか竜平・・・・・