~Snow White~『ニ巻』
電話が鳴って、お手伝いの福山が出た。


「旦那さま、田中専務さまからです。」


父が書斎に出て行った・


「元気だった?」
利香が覗き込む。その目に
嘘を見破られそうな気がして
ドキドキしていた。


「おう、忙しいんだ。
とうさんの仕事を少しづつ覚えるのに
バイトもできないしさ
まだこづかいもらってるし・・・」


「いいじゃない。
これからたくさん稼ぐ人なんだし。
竜ちゃん若いわ~
なんか年の差があるような
気がするのは気のせい?」



「おまえの化粧が濃くなるからだ。
素顔の方が可愛いのに。」



「濃い?」
利香があせっていた。



「気をつけなくっちゃ……」

美しい笑顔でニッコリ笑う。


福山がキッチンに消えていくのを
確認して久々のキスをした。
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