~Snow White~『ニ巻』
竜平と父を見送って
リビングに戻った。

「福山さん、二人の分とりわけて
おきますか?」


「私がやりますから
せっかくですから食事をしてください。」
福山が言った。


「それにもうすぐ洋平さんもかえってくるから
よかったら一緒に食べてあげて。
いつも一人なんですよ……
私は洋平さんが気の毒で仕方ないんです。」


インターフォンが鳴った。


「ほら、帰ってきた。
利香ちゃん出てあげてください」

福山がにっこり微笑んだ。



玄関のドアを開けた。


「おかえりなさ~い」



洋平がビックリしたのがおもしろかった。


「利香、久しぶりだな。」


洋平の鞄を受け取って
「お疲れ様~」と微笑んだ。


「化粧濃いぞ。
おまえは素顔がいい・・・・。」


利香の額を軽く小突いた。
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