~Snow White~『ニ巻』
竜平とはしばらく連絡が途絶えた。
利香も怖くて連絡ができなかった。


携帯を見ては・・・・
メールをしようとしては
床に置いた。



 きっと兄の仕業だ


利香は動き出した稔に会いにいく
決心をして
大槻建設の札幌支社の前に立っていた。


東京の会社の三分の一くらい


支社だけあって
そんなに
大きくはなかったけれど
利香にとっては威圧感に満ちていた。


ここに稔がいるのかは
わからなかったが
黒い雲に覆われている
そんな気がしてならなかった。


足がすくんだ。



「利香?」
よく知っている声が後からした。


 悪魔・・・・・



利香はごくりと唾を飲んだ。
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