~Snow White~『ニ巻』
「赤ちゃん?」


竜平は何を言ってるのかわからなかった。


興奮した利香を洋平が抱きしめた。


「怖いの・・・・・
今でも夢見るの。
あの日、最後に見た赤ちゃんは
何も知らずに元気に動いてた。
私は……元気に動いている赤ちゃんを
引き裂いて殺してしまった……」


「利香、大丈夫・・・・
もう大丈夫だから・・・・
もうおにいさんは帰ったよ。」



洋平が優しく頭を撫ぜた。
少しづつ落ち着いてきた
利香をベットに
寝かせた。

「洋ちゃん・・・・洋ちゃん・・・・」


利香は洋の手を握った。


「竜ちゃんをまた…傷つけてしまったわ。
どうしても…どうしても
怖くて兄に見えてしまうの……
大好きな人なのに
一番愛してるのに……
私は一生誰も受け入れられないのかしら……
竜ちゃんを
もうこれ以上傷つけられない……
兄が……
私は兄が言うように
兄のそばで生きていかなければいけないのかしら。」




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