~Snow White~『ニ巻』
利香を女として意識し出してから
稔の精神は崩れそうになった。

その葛藤で稔は戦っていた。



いつものように
白いバラの手入れをする
利香に見とれていた。


すっかり女らしくなった
丸みを帯びた体の線や
触れてみたくなる
胸のふくらみを
ついつい見ている自分を恥じた。


「利香、そんなに好きか?
その花さ。
いろんな色のバラは鮮やかで
きれいだけどな。」


「アイスバーグの純白に
憧れるの。
こんな真っ白な自分でいたい…
そしていつか出会う
愛する人の色に染められたいって。」



「ロマンチストだな~」
稔は笑った。


「そうよ、年頃だもん。
小さい頃から白雪姫に憧れた。
いろんなプリンセスがいるけど
白雪姫になりたいって。」


「白雪姫ってあの
リンゴ食べて小人の出てくる?」
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