~Snow White~『ニ巻』
仲居の仕事は自分に向いていた。

客が気持ちよく部屋に入るのが
好きだった。


午前中、ジャージを着て
利香は部屋の掃除に入る。


与えられた部屋の片づけをして
次は温泉の掃除をする。


客を送り出してからの
三時間は地獄の時間だったけど
利香は楽しかった。


働いてくたくたになって
ぐっすり眠る・・・・・

何も考えられないくらい
疲れ果てれば


竜平を恋しがることはない・・・・



もう会うこともないだろう


そう思ってた・・・のに


今目の前にいるのは
昔愛した人・・・・・


あさってには戻って行ってしまう


心がざわつく


このまま別れたほうがいい・・・・

ぃかし心裏腹だった・・・
ポケットには
竜平の携番を写したメモ・・・・


 甘えちゃだめよ・・・
 苦しいだけだよ・・・




そう言い聞かせた。
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