~Snow White~『ニ巻』
「もうそういう仮定な話しはいい。
あなたは他の人を選んで
家族を持ったんでしょう?
今更、そんなこと悔やんでどうなるの?」



タオルを急いでセットしてた手をつかんだ。


「やめてよ・・・・」


「今、こうしないと一生後悔する。」



「会わなかったことにして。」



「それでいいか?
おまえはそれでいいのか?」


「いいわよ、だって自分のものに
なるわけもない・・・・
変な同情ならやめてほしいわ。」


「家族を捨てられない…
だけどおまえももう二度と離したくない。」


竜平は利香を抱きしめた。



「やめて・・・汗臭いから・・・・」


ベットメイクに入っている利香は
うっすら汗をかいていた。


「利香にこんなことさせたくない・・・」



「生きて行くためよ。
これから一人で生きて行くんだから・・・」


利香の声が震えた。
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