~Snow White~『ニ巻』
「おとーたまね、すごく優しいから…
ヒック…おねーちゃんに作ってくれるよ
毎日、朝ね…ママとね、
みーちゃんと、ちーちゃんでねキスするんだよ…
いってらっしゃいって……
早く帰ってきてって……
最近お仕事が忙しくて……寂しいの…」


「ま~それは寂しいわね…
でもお仕事だから我慢だね。」


「だからね、今日久しぶりに
お出かけてしたの。
みんなすっごく楽しみだったの!!」


ちーちゃんが可愛くて
思わず頭をなぜた。


「はやくお迎えに来るように
お祈りしようね。」

その時
カウンターの電話が鳴った。


「あ、そーです、はい……
~ 千秋 ちゃんですね?
ちょっと待って下さい。」


店員が
「大柴 千秋 ちゃん?」

と声をかけると
「はーい」と答えた。



「そうですって・・・はいわかりました。」


店員は、
「あと五分くらいで
パパとママが迎えにくるからね。」

ちーちゃんは飛びあがって
笑顔で利香に抱きついた。

店員は、利香に会釈して
ちーちゃんを迷子ルームにつれて行った。


「・・・大柴?・・・・」


利香は立ちつくした・・・・



「大柴・・・・」


利香は売り場の陰から
息をひそめて見ていた。
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