~Snow White~『ニ巻』
「だめだよ・・・・・
絶対にそれは無理・・・・・
そんなこともう・・・できない・・・」


「だけど・・・・・
一人で抱えていけないだろう?」


「大丈夫、なんとかなる。
それに前にいた旅館でまたお世話になるから」



「それで俺は何をすればいい?」


「ごめんね、いつも甘えて・・・・
竜平と別れたいの・・・・
姿を消すから・・・・
少しの間だけ、洋ちゃんのとこにいさせて。」



「子供のことは言わないのか?」



「絶対言わない・・・・
知られたくない・・・・


「バカだな・・・・
なんでこんなことになったんだよ。」



「ごめんね。
一人は辛かったの・・・・・
でもとんでもないことしちゃったんだね。」




「バカだな・・・・・」


洋平はそう言って私の頭を優しく撫ぜてくれた。


涙がこぼれおちる・・・・・


「ほんと、バカなんだから・・・」


洋平の温かい胸の中で泣いた。
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