~Snow White~『ニ巻』
「ひで―顔してるぞ。」



「うん……わかってる……」



「いいのか?嘘ついて・・・・・。
いつか言わなくていいのか?
あいつが父親なのに・・・・・」



「いいの、絶対言わないで。
誰にも言わないでね。」



「利香、どこか出かけようか?
気晴らしにさ~」



「ほんと?どこに?」



「雪が降る前に・・・・・・」




「それじゃ支笏湖に行きたい。」
利香が泣くのを必死に我慢してる。



洋平はわざとに明るく答える。


「んじゃ、俺が今抱えてる仕事が
今月中には終わるからそのあと行こうぜ。」


「ありがと、洋ちゃん……
勝手に名前つかってごめんなさい。」



「ほんとでもいいんだけどね。」


洋平は冷たい肩を抱きしめる。
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