～Snow White～『ニ巻』

山道を抜けて
目の前に広がった真っ白な風景


木々の頭に白い帽子を乗せたような
美しさだった。




「うわ～～すっごい～～～
洋ちゃん、見て！！
なんて神秘的なんだろう・・・・・・」


利香が身を乗り出した。



「なんか感動する・・・・」



「きっと近くから見るより
ここから見た方がきれいだよ。
降りてみるか？」



「うん、降りる、降りる～」



ちょうどあった駐車スペースに車を停めて
二人は車を降りた。


湖を囲む山々に雪がふりかけたように
広がっていた。


「あれが、樽前山、これが恵庭岳で
たしか……不風死岳だよ。」



洋平の指す方に利香は顔を向けて


「すご～い」と笑った。



「俺らのドライブコースだからね～
毎晩のように飛ばしたからな～
なつかしいよ。」

洋平は笑った。