~Snow White~『ニ巻』
「今日はさ、俺本当はね
プロポーズしようと思ってたんだ。」


小さい湯船に熱いシャワーを
出した。


そこにバスタオルを巻いて利香と
一緒に立って
体をあたためた。


利香はずっと下を向いていた。


「結婚してほしい・・・・。
俺の妻になってほしい。」



「そんな都合のいいこと
できるわけがない。」

利香は低い声でぼそっと言った。


「俺のこと嫌いか?」



「キライなわけないじゃない。
どれだけ洋に救われてきたか……」


「あいつを忘れられないなら
俺を通してあいつを見てていいから
俺のそばにいてほしい。」


「バカじゃん…洋……
お人よし……偽善者……
バカ…バカ…優しくしないで……」
利香は肩を揺らして泣きじゃくった。


「バカだよ、だけど偽善じゃない。
俺はおまえをずっと愛してきた。」



「洋ちゃん……」

熱いシャワーの中で固く抱き合った。
利香は泣きじゃくり
洋平も泣いた。


「俺が幸せにしちゃるから~
安心しろって!!」

体がぽかぽか温かくなるのが
わかった。
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