～Snow White～『ニ巻』

雪湖の笑顔が
心にしみる旅だった。


これから一人にするのかと
思えば
雪湖に申し訳ない気持ちになった。


仕事も失い
ここから戻ったところで
全て吸いつくされてしまう。


半分は借金にとられるだろう家
もう住むところもない



生きていても
利香は刑務所に入り
洋平は一人で雪湖を抱えて
ひもじい思いや
寂しい思いをさせてしまう。

死ぬことは逃げることだけど
その選択はきっと
雪湖には、本当の父親のもとで
暮らすのがいいだろう。
竜平のところにいけば
きっと自分が生きて暮らすより
しっかりとした教育も
ひもじい思いをすることも
寂しい思いをすることも
ないだろう。

生きていくのに
まとまったお金ももたせてやれる。


洋平は
そう自分の中でいいわけし続ける



利香と一緒にいたい・・・・
利香が死ぬというなら
ついていきたい・・・・・・。



それが洋平の愛の形だった。