~Snow White~『ニ巻』
園に近づいてきた頃


急に竜平の車のスピードが落ちた。


「どうしたの?」

智久が竜平の顔を覗き込んだ。



「雪湖だ。」



雪の中をトボトボ歩いている。

真冬に比べて
体が小さい・・・・・。


「泣いてんじゃない?」
智久が体を乗り出した。



車の窓を少し下げると
泣き声が聞こえてきた。



「どうしたんだろ?」



智久は気になって仕方がない。



「泣き方ふつうじゃないよ。
何かあったんじゃないかな。
竜さん、俺ちょっと見てくるよ。
先に園に行ってて、ここまっすぐでしょ。」


「トモ!!」



智久は竜平の声を無視して
車の外に飛び出した。



運命の糸い引かれるように・・・・
智久と雪湖は出会う



王子さまと約束をした
あの雪の日へ・・・・・・・。
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