~Snow White~『ニ巻』
「そうか・・・
また連絡してくれ」




窓の雪を見ながら
稔は携帯を机の上においた。



そして大きくため息をついた。


あの日・・・・
目が覚めた時、後頭部に激しい痛みが
走った。


「いて・・・・
あれ・・・・?」


 確か俺は・・・・


稔は途切れた記憶を
少しづつつなげて行った。



利香・・・・
利香は・・・・・


頭が痛くて触ったところの
髪の毛がべたついていた。



ゆっくり起き上がって
枕の方をふりかえって
驚いた。


「血?」

枕に血がついていた。


灰皿がころがっている。


「利香・・・・・
そんなに俺が嫌なのか・・・」



稔は悲しく笑った。
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