~Snow White~『ニ巻』
通報されて交番から解放されたのは
もう夕方になっていた。


「大丈夫?お兄ちゃん?」

利香の声は半べそだった。


稔はかなりぼこぼこにされてて
気が立ってて
話す気にならなかった。


部屋に戻って


「利香、シャワーに入って来い」
稔はそう言った。


「え…だって……」


「いいから!!
きたね‐手で触られたんだから
すぐ洗い流せ。」

稔の殺気だった様子に
利香はシャワーに入っていった。


他の男に触られている
利香を思い出すと
理性を失いかけた。


 俺のものだ

切れた唇でそうつぶやいた。
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