~Snow White~『ニ巻』
この雨の中走っても弁当は濡れるし
夏絵を待ってると
冷めてしまうし

竜平は店の薄暗い明りの下で
弁当を食べた。



厨房では手際のいい音が聞こえている。


「美味しいですか?」


「うん、ウマいわ~」


「そのからあげは、オリジナルなんです。」


「オリジナル?」


「今度はカレー弁当も食べてくださいね。
オーナーがいい方で
従業員の意見を入れてくれるんです。
私はからあげとカレーの
アドバイザーしてるんですよ。」

明るいはつらつとした声だった。


「何時から何時まで?」


「5時から9時でそのあと片づけで
半までです。
うちの学校はバイト禁止だから
家に戻って着替えて、バイト行って
それから弟をそこの保育園に迎えに行って帰るんです。」


「弟いるの?
それも保育園っていくつの子?」


「恥ずかしいな~
会長にこんな話するの・・・・
一歳になったばかりです。」



「一歳!?」
竜平は驚いた。
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