~Snow White~『ニ巻』
「お待たせしました。」

雨はさっきよりひどくなっていた。


「悲惨~帰りは絶対ビチョビチョだわ。」

空を見上げて夏絵が言った。
外に出て店にカギをかける夏絵にかさを
さした。


「すみません。」


竜平が傘を持って歩いた。


「こっちもっと寄らないと
濡れるよ。」


竜平が夏絵の腕を引くと
恥ずかしそうに笑った。


「すみません。」


「こっちこそ・・・・」


「ここが弟の保育園です。」

まさに竜平の家の向かいだった。


「俺んち、ここ~」


「え~すごいお屋敷ですね。
想像してたんです。
こんなところに住んでる人って
どんな人なのかって。」


「でかいだけだよ。」
竜平はそう言った。
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