~Snow White~『ニ巻』
その日の出来事をなぜか
利香には話せなかった。


なぜなんだろう


自分に問いかけた。


それから毎日、9時半ちょっとすぎには
窓の外を見ていた。


土日はよくわからないが
月から金まで
毎晩夏絵は弟を迎えに来ていた。


天気のいい日は
竜平はホッとした。

弟はまだ赤ちゃんのようだった。



夏絵の担任に
保健委員の話をした時


「家庭的に問題のある子で
だけども前向きで頑張ってるから
なんとか委員でもやらせて
推薦で大学っていう手もあるんだぞと
話をしたんだが・・・・
そうか・・・誰か違う生徒を立てるか。」



「出席してくれないと
やっぱ困りますから。」


「もう一度話してみるわ、本人と。
勉強もよくできる子だから
奨学金とかで大学行かせたいんだよね。
可哀そうだからさ。」


意味ありげな様子だったが
それ以上聞くのも…と思って
担任に任せてきた。
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