~Snow White~『ニ巻』
利香も竜平と同じ大学を目指していた。


生徒会の仕事も
後輩に譲り渡し
二人の時間が作れるようになった。


図書館に行って勉強したり
気分転換に街に出たり


こづかいにはお互い不自由なく
利香の父親も
東京で会社をやっている様子だったから
お金に困ることもなく
楽しい毎日を過ごしていた。


そんな風に暮らしていると
時間に追われて走っている
夏絵が気になっていた。


学校ではあれから会釈はするが
話しはしなかった。


弁当屋も気になったが
あまり使うことがなかったから
あれから足を運んでいない。

ただ弟を迎えに来る
夏絵を見るのが日課だった。


そのうち弟はヨチヨチと歩き出した。


「うわ~歩いてる」
竜平はなぜか喜んだりしていた。
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